たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」 ④

その秘密を知りたい、と思って読んだのが、今回の本、「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」です。 とはいえ、正直に言うと、読んでみてこのBRACがBRACのようになれた理由が何か分かったのかというと、いまいちでした。 どうしていま…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」 ③

おそらくそれは、そのモノやサービスを評価する人と、そのモノやサービスを受ける人が違うことに起因しているのだと思います。 評価する人はドナー(国や寄付をしている人々)、受ける人は途上国の現地の人々です。 だからこそ、評価が容易に曲がるし、他の…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」 ②

政治的な理由でとにかく支援をしなければ、と考える先進国と、何に使うのが国のために一番いいか判断するだけの政治体制がないものの、何かしらの支援は受けたい途上国のニーズがかみ合ってしまいさえすれば、どこかの国が支援して立てた大きいインフラが、…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」 ①

ちょっと前に仕事でバングラデシュについて調べる機会があって、「バングラデシュを知るための66章」を読みました。 読んでみて驚いたのは、バングラデシュがソーシャル・ビジネス先進国であることです。 それまでもユヌス銀行のマイクロクレジットのことは…

中国語のすすめ ⑭

この二つの発想は、ある意味相いれず、片方を強く信じていると、もう片方の考え方はよく分からないと思う類のものだと思います。 中国語の文章を読んでいると、こういう文化のギャップが背景にあるような言葉遣い、話し方、シチュエーションというのが、結構…

中国語のすすめ ⑬

「以上」という言葉を使っているのに、さらに「甚至更长(もっと長い)」と付け足すなんておかしいじゃないか、と言って質問していました。 クラスの反応を見ていると、日本人や中国人は、ここに「甚至更长」と付け足したくなる気持ちが分かったらしく、文化…

中国語のすすめ ⑫

日本人的には、隣がうるさい→大家に言う、という方が無駄な争いを避けられて、良い流れに思い、全く違和感がなかったのですが、確かに、そうじゃない文化もあるでしょう。 逆に直接言わないことが不信感をあおる文化もあるかもしれません。 イスラエル人の方…

中国語のすすめ ⑪

香港で、主に欧米文化圏の友達に囲まれて中国語を勉強していた私は、まさにその虹色状態のように感じていました。 漢字を書く、というところからもう特大ハードルがあるみんなに比べ、見ただけでああ、これね、と思って一瞬で記憶できるのは無敵以外の何物で…

中国語のすすめ ⑩

身もふたもないことなのですが、言語と言語の間にも関係性があって、生成順序があって、それが近いものを学んだ方が圧倒的に楽だし、勉強しやすいと思います。 勉強する時も、自分の母国語との違いを意識して学んだ方が効率的に決まっています。 そしてこの…

中国語のすすめ ⑨

基本的な言葉、いつも使う言葉から覚えて、それに関してはどんな使い方も知って、聞いても読んでも分かるし、話したり書けたりも当たり前のようにできる、そうなってからもっと難しい単語を、必要な時に学んでいく、そういう順番を踏むから、同じくらいの濃…

中国語のすすめ ⑧

どういうことかというと、例えば、英語や中国語でこれまで話したことのないことを話すとき、知らない単語が当然出てきます。 口内炎ができて痛いんだよね、と話したいと思った時、「口内炎」という単語が分からなかったらどうするかということです。 日本語…

中国語のすすめ ⑦

3つ挙げていた理由のうち、1つ目の成功体験と失敗の防止は言語の学び方についてのところだと思いますが、そう考えると2番目の、自分の本心を話した経験が多い、というのは、言語の教え方に直結する部分です。 香港で中国語を勉強して一番思ったのは、自分の…

中国語のすすめ ⑥

彼女がする質問はいつも、これをこういうふうに使ったら、どういう意味で伝わるか、とか、こう言ってしまったらどういうニュアンスになるか、というようなことでした。 実践的な内容というか、間違いやすいけど、間違えるとどうなるのか、というポイントを突…

中国語のすすめ ⑤

ただやっぱりその経験で、私の中に2つの気持ちが残りました。 1つは、自分は人としてダメなのかもしれないという気持ち、もう1つは、自分の英語では意思疎通がきちんとはかれないのかもしれないという気持ちです。 人としてダメというのは、大きな言い方です…

中国語のすすめ ④

そう思った私は、ホストマザーにそれを伝えました。 でも、きっと私の表現の仕方が悪かったのかもしれない(shouldを使ったから、かちんときたのかもしれない)し、今考えてみればホストマザーは若いのに相当なしっかりもので、家の管理は私がきっちりやる、…

中国語のすすめ ③

もちろん、話したからといっていつも上手く行かないわけではないですし、辛抱強く、冷静に、自分の信念に反する相手を受け入れてくれる人もいるかもしれません。 そしてそれができたなら、本当の国際交流と言えますし、外国人の友達と貴重な深い心の絆を結ぶ…

中国語のすすめ ②

①英語の方が実際、人を怒らせかねない表現で間違いやすい事柄についてよく知らないし、それによって失敗した経験の数が多い。 ②中国語の方が、自分の本当の気持ちにしっくりくる言い方を知っているし、実際にそれを使って本当のことを話した経験が多い。 ③中…

中国語のすすめ ①

香港で中国語を習ってみて、教えられ方が良かったのか、今は英語より中国語の方がずっと自信を持って話せます。 単純計算では、中国語はわずか英語の4分の1くらいの時間しかかけていないのにと思うと、本当に不思議です。 一つは、自信を持って話せる、とい…

AIと仕事する未来 ⑦

できればこんなストレスフルな未来がやってくる前に経理の仕事からおさらばしたいと思った矢先、さらなる妄想が・・・ とある部署の管理職が、AIが行った財務分析の結果を見て疑問が出てきてAIに問い合わせたとしたら・・・ 「○○の指標の分析所感として…

AIと仕事する未来 ⑥

「No.○○の伝票の税率はどうして10%にしたのでしょうか?」 するとAIは答えます。 「支払先は海外在住の個人事業主であり、この取引はオンラインで行われたものであるため電気利用通信役務となり、税率は10%としました」 「いやでも、その場合はリバー…

AIと仕事する未来 ⑤

でもここに書いたことも、今の課題であって、そのうちさらなる自動化で解決されるものもあるでしょう。 そもそも支払いが機械化されれば、全く同じ内容の請求書に対して二度支払ってしまうことはないし、金額の入力をミスすることもなくなるかもしれません。…

AIと仕事する未来 ④

もっと大きな会社では、さらに一段踏み込んで、面倒な年度またぎの処理も自動でやるシステムを持っているかもしれません。 これだって、1枚の伝票を旧年度と新年度に分ける作業は機械的にできるからです。 本当を言うと、条件設定をしっかりやって計算式を組…

AIと仕事する未来 ③

Excelファイルのデータを加工する作業は仕訳に関する知識が必要ですし、コピペミスなどのヒューマンエラーは気をつけてやらないと(気をつけてやっても)起きるものなので非常に危険です。 そのため、二人の人でチェックしたり、いつもは経費精算システムか…

AIと仕事する未来 ②

当然会計システムも年度が分かれているので、それぞれに取り込む伝票を作ってそれぞれに取り込む、ということになり、作業が単純に2倍になります。 この作業を他の会社はどうやっているか分からないのですが、私たちの会社は昔、手で2枚の伝票を作っていまし…

AIと仕事する未来 ①

私は今財務や経理に関する仕事をしているのですが、この間仕事中に同僚とこんな会話になりました。 「私もっと単純な仕事がしたいわ~」 「いや、システムが入って楽になるっていうことは、単純な仕事が減って、複雑な仕事だけが残るってことなんですよ」 ち…

ピザ屋の夢と等級の話 ⑤

私が求めていたのは、1年目の後輩にはレベル2、2~3年目の後輩にはレベル3、4~6年目の後輩にはレベル4、9年目の自分にはレベル5だったということかなと思いました。 職場や職種によってもこの年代と求めるレベルの感覚は違ってくるのだと思います…

ピザ屋の夢と等級の話 ④

そこで、そもそも私たちは後輩たちに何を求めていたのか考えてみたとき、ピザ屋の夢を思い返すとそれが明確になることに気づきました。 まずはレベル1、例えばリーダー的なポジションの私や同期から、「○○スーパーでタイムセールのこの時間に△△食品のトマト…

ピザ屋の夢と等級の話 ③

この夢の発端となった(と思われる)同期の部署は、だいたい新入生の登竜門という感じで、一番売り上げが安定した部署であり、方法論も確立されているようなところでした。 それは私が入社したときからずっとそうで、私が新入生で配属された部署が急あつらえ…

ピザ屋の夢と等級の話 ②

私はそのメンバーの中では、同期と共になんとなくリーダー的なポジションでした(でもたぶんこれまでの経験があるとかではなく、年齢的に(母はパートさん的なポジションで正社員ではないらしい、無駄にリアル)) 全体の動きを見ながら、自分もピザの種をこ…

ピザ屋の夢と等級の話 ①

社会人9年目にもなると、気づけば8代も後輩ができていて恐れおののく毎日です。 自分ではそんなに経験を積んだ自覚はないし、途中でお暇もしたし、まだまだやったことのないことは分からないし、たぶん、この年数と経験は全然比例しないのだ、と思うけれど、…