マンガの話「鬼滅の刃」③
それはたぶん、世紀の偉業なんかじゃなくても良くて、ほんの小さな世界の、ほんの小さな変化でもいい。
ある会社のある仕事のほんの少しの進歩でも構わない。
もしかしたらその人は、人と比べれば劣っているように思えることもあるかもしれない。
それでも、これまで人類が挑戦してこなかったことに挑戦して、何か一つでも今ないものを積み上げて、それが長い目で見れば失敗だったり、後戻りだったとしても、それが失敗で後戻りだということを人類が知る機会を作る。
きっとそれを見た誰かは、もっと良い方法がないか探すし、もしかすると、才能あるその人にあきらめない、燃えるようなやる気を与えたのは、失敗した、才能のない誰かかもしれない。
そう思うと、自分が今どんなにだめだと思ったとしても、前向きな気持ちになれる気がしました。
世界は、歴史に名を遺す有名な発明家だけが作ったものじゃない。
無数の、無名の誰かの工夫や失敗でできている。
最初に「君たちはどう生きるか」を読んだときは、何かきっとものすごいことを人生で成し遂げなければ!と思ったような気がします。
でも今は、たぶん、そうじゃないかも、と思えてきました。
そう考えると、人生でダメなことは、大したことをやらないことではなくて、目の前の課題に一生懸命向き合わないこと、自分で自分をあきらめてしまうことなんだろうと思います。
つづく