マンガの話「鬼滅の刃」④
よく読めば、さっき引用した言葉も、「まだ解くことが出来ないでいる問題」を解かなければうそだ、と言っているのではなく、そのために「骨を折らなくてはうそだ」と言っています。
それが例え骨折り損のくたびれもうけだったとしても、それは骨を折っていることには間違いないのだと思います。
鬼滅の刃のおかげで、小鉄くんのおかげで、一度読んだ本の解釈が広がって嬉しいです。
そういえばもう一つ逆に、アニメでは印象に残らなかったのに、マンガでは印象に残ったセリフがあります。
今度は小鉄くんが炭次郎に言ったセリフで、そんな心優しい炭次郎くんだからこそ、もっと強くなってほしいんだ!誰よりも強く!的なセリフです(ちょっと正確ではない)
何だかこれを読んだとき、なぜだかすごく感動してしまったのを覚えています。
優しい人は弱い、というイメージがどうしてもあります。
戦っていても、傷つける相手のことを想ってしまうから、一緒に戦い傷つく仲間を想ってしまうから、どうしてもそれを考えない人より弱くなります。
だからこそ、小鉄くんは、炭次郎に人よりも技術そのものを磨いてほしかったし、戦う術を、新しい画期的な方法を身につけてほしかったんだと思います。
これはたぶん、仕事や日常生活でも言えて、炭次郎のように生死は関わらなかったとしても、誰かと一緒に何かをしようとしたとき、何か一つを決めることが誰かを不利にしたり、誰かの功績を否定したり、何かをやることにしたことが誰かを限界まで働かせることにつながってしまったり、そういう状況はありうるんだと思います。
つづく