たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

マンガの話「鬼滅の刃」①

先日、ついに鬼滅の刃を全巻読みまして、良い話だったなあとしばらく余韻にひたっていました。(ネタバレの宝庫です。注意!)

 

一番いい話だなと思うところは、一人ひとりの力は少なかったとしても、それが連綿とつらなっていって、大きな力を発揮する、というところだったと思います。

 

鬼舞辻はまあもうほとんど無敵で、どうやったって人間一人の力では適わず、柱も何人も死んでいったし、なんと平安時代から!?大正まで、何世代にも渡る戦いの歴史があって、多くの人が志半ばで、でもなんとか次の世代にたすきをつないで、やっと勝利を得ることができました。

 

最後の戦いでも、お館様や、胡蝶さんや珠世さんが自分の身を犠牲にしながら、でもそれが最後まで大きな力になって、その上に柱たちや炭次郎、カナヲ、伊之助、善逸がとどめを刺すという場面がたくさん出てきます。

 

炭次郎自身も、最後の瞬間まで、お父さんに習ったこと、先祖が縁壱から教えてもらったことに気づきを得て、成長しながら戦い抜きます。

 

その場で戦っている人たちの肩に、多くの人の力がのって初めて勝てたことが繰り返し表現されています。

 

また、鬼滅の刃の終わり方がいいのは、倒して終わり、というのではなくて、その何十年後の現代の話まで書いていたところだと思います。

 

炭次郎たちに似ているような似ていないようなキャラクターたちや子孫も残せず無念にも死んでしまった人の生き写しのようなキャラクターが現代で平和に暮らし、過去を想い、今を大事に生きていく様子が、きっとこの先も世界のどこかで続いていく、そんな、都合のいい話かもしれないけど、でもあるかもしれないと思いたくなる、そういう終わりが素敵で報われたような気持ちがしました。

                              つづく