本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」 ④
その秘密を知りたい、と思って読んだのが、今回の本、「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」です。
とはいえ、正直に言うと、読んでみてこのBRACがBRACのようになれた理由が何か分かったのかというと、いまいちでした。
どうしていまいちだったのか考えると、一つは、BRACがやってきたことの性質と、もう一つは描かれ方にある気がしました。
この本は自身もこうした国際協力活動をしていて、BRACと長年関わりがあった著者が書いていて、研究者が書いた本とは書かれ方が違う感じがします。
隣で活動を見てきただけに、感情的というか、抽象的な書き方が多いように思いました。
確かに具体例も豊富だし、数字もたくさん載ってはいるのですが、比較対象が何かあるわけではなく、別の人が同じことをしようとしたとき、どのような条件を満たせば、こういう組織が作れるのか、という切実な視点はないような感じがしました。
(もちろん私の読解力や経験のなさのせいやもしれません!汗)
なので分かったような、分からないような、確かにBRACが素晴らしい組織なのは分かったけど、じゃあそれが他の組織になかなか真似できないのはなぜなのか、どうしたら同じことが他の組織でもできうるのか、というところはよく分からないままでした。
BRACがやってきたことの性質そのものが真似しにくいという点については、「平凡なものを組み合わせて非凡を生み出す」という言葉が途中に出てきます。
つづく