マンガの話「鬼滅の刃」②
マンガを読んだときはあんまり印象に残らなかったのですが、アニメを見た時に強く印象に残ったセリフがあります。
一言一句は覚えていないけれど、今クールやっていた刀鍛冶編で、炭次郎が小鉄くんに言ったセリフです。
自分には才能がなく、大した刀を作れないと嘆く小鉄くんに炭次郎が言った、自分自身が例え刀を作ることに直接は役立たなかったとしても、自分の子孫はすごく才能があるかもしれない、だから自分の人生を無意味と思うなというようなセリフです。
自分に才能がなくても、自分が直接良い刀を作れなかったとしても、一生懸命生きていれば、何かしら役に立てることがあるかもしれない。
私はちょっと拡大解釈をして、もし小鉄くんが誰とも結婚せず、子供もできなかったとしても、小鉄くんの存在が、里に良い影響を与えて、良い刀を作る環境を整えるかもしれない、そういう貢献の仕方も含まれているんだろうなと思いました。
それは鬼滅の刃という作品全体できっと作者が伝えたかったことと同じで、一人ひとりの力が、そのつながりが、大きな力になって未来を動かす、だから今をあきらめるな、どんなにふがいない自分も何の役にも立たないと思うな、そういうエールなんだと思います。
アニメを作った人たちは、きっとそれをくみ取って演出をしたから、心に残ったんだろうなと思います。
これまた拡大解釈かもしれないのですが、以前紹介した、「君たちはどう生きるか」をなんだかとても思い出しました。
骨を折る以上は、人類が今日まで進歩して来て、まだ解くことが出来ないでいる問題のために、骨を折らなくてはうそだ。(p.95)
つづく