たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

中国語のすすめ ⑥

彼女がする質問はいつも、これをこういうふうに使ったら、どういう意味で伝わるか、とか、こう言ってしまったらどういうニュアンスになるか、というようなことでした。

実践的な内容というか、間違いやすいけど、間違えるとどうなるのか、というポイントを突いていました。

 

具体的な内容が思い出せないのが歯がゆいですが、私は最初、その子のする質問がどうしてそんなに重要なのか、よく分からずにいたのを覚えています。

どこかそんなに難しくないというか、テストに出なさそうなことを聞いているように思えたからかもしれません。

 

でもだんだんと、コミュニケーションをするにあたって大事なのはこういうことかもしれないと思えてきました。

 

そして自分も英語を勉強するとき、こういう着眼点を持っていたら、だいぶ違ったのだろうなと思いました。

もしかしたらその子が隣でそうやって質問してくれていたから、私の今の中国語はあるのかもしれません。

 

振り返ると、不思議なことに、私と一緒に長く中国語を勉強した友達の中に、英語が母国語の子は誰もいませんでした。

もしかすると、母国語でない言語を勉強する経験があったから、言語を身につけるということがどういうことか分かっていて、中国語を学ぶことに耐えられたということなのかもしれないと思います。

 

彼女はたくさんの言語を話して使って、たくさん痛い目にあって、知らない言語を話すとき、どういうことに気を付けるべきなのか、自然と分かるようになったのかもしれません。

                               つづく