たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

2023-01-01から1年間の記事一覧

マンガの話「鬼滅の刃」⑤

そういう、何かと向き合って賛否両論ある答えを出そうとするとき、それを乗り越える解決策は、誰かを傷つけたり、疲れさせたりすることに耐えられるようになることではないんだと思います。 そういう状況を自分の中で許すことに寛大になれば、簡単に強くなれ…

マンガの話「鬼滅の刃」④

よく読めば、さっき引用した言葉も、「まだ解くことが出来ないでいる問題」を解かなければうそだ、と言っているのではなく、そのために「骨を折らなくてはうそだ」と言っています。 それが例え骨折り損のくたびれもうけだったとしても、それは骨を折っている…

マンガの話「鬼滅の刃」③

それはたぶん、世紀の偉業なんかじゃなくても良くて、ほんの小さな世界の、ほんの小さな変化でもいい。 ある会社のある仕事のほんの少しの進歩でも構わない。 もしかしたらその人は、人と比べれば劣っているように思えることもあるかもしれない。 それでも、…

マンガの話「鬼滅の刃」②

マンガを読んだときはあんまり印象に残らなかったのですが、アニメを見た時に強く印象に残ったセリフがあります。 一言一句は覚えていないけれど、今クールやっていた刀鍛冶編で、炭次郎が小鉄くんに言ったセリフです。 自分には才能がなく、大した刀を作れ…

マンガの話「鬼滅の刃」①

先日、ついに鬼滅の刃を全巻読みまして、良い話だったなあとしばらく余韻にひたっていました。(ネタバレの宝庫です。注意!) 一番いい話だなと思うところは、一人ひとりの力は少なかったとしても、それが連綿とつらなっていって、大きな力を発揮する、とい…

省略の文化 ④

エスカレーターの方を指して話すとき、日本人は自然とエスカレーターにいつもはない何かイレギュラーが起きたのだ、だからそれを伝えようとしているのだと思います。 いつもと同じように稼働しているエスカレーターについてはそもそも話題にする必要がないか…

省略の文化 ③

芝生の話でどうしてこれを思い出したのかというと、日本人のコミュニケーションの暗黙の了解を自覚し、それとは違う世界があることを実感する機会だったからです。 日本語のコミュニケーションは、いかにお互い知っている当たり前以外のことを話すか、という…

省略の文化 ②

香港の店舗はたしか、1軒ごとにテーマがあって、銅鑼湾はジャングルがテーマだったらしく、わさわさした葉っぱの装飾の間に商品が所狭しと並べられ、卵を売っているところでは鶏の鳴き声が、牛肉を売っているところでは牛の鳴き声がするという徹底ぶりで、そ…

省略の文化 ①

香港から帰ってきてから、Japan Times Alphaという週刊の新聞を購読しています。たしか、やっぱり実際の感情や驚きを伴う英語の方が覚えられるよなあと思って何かそういうものがないか探していて、行きついたのがこれだった気がします。 実は香港にいたとき…

ゲームで考えるモチベーション管理 ⑤

でも面白いゲームの場合はここで一工夫あって、例えば、ある程度マージしたものはそれ自体がまた別のアイテムを発生させる機械になる、という仕組みがあったりします。 他にも例えば、種の袋から種をたくさん発生させて空っぽになった後の袋を何回かマージさ…

ゲームで考えるモチベーション管理 ④

売れているゲームの多くは、このシステムがきちんとしています。 どんなに小さな努力も、努力の量に応じて、努力するだけの意味のある報酬が用意されています。 この報酬というのにもいろいろな道筋があればあるほど良いです。 プレーヤーのスキルが上がって…

ゲームで考えるモチベーション管理 ③

1つは、同時並行でいくつかの物語を進められる、ということです。 もう1つは、マージそのものの仕組みにちょっとした工夫があるということです。 1つ目はどういうことかというと、通常の多くのマージ系ゲームは、コインやスターを貯めて進められる話や購入で…

ゲームで考えるモチベーション管理 ②

そしてこの手のゲームは大体、マージをする回数の上限が決まっていて、時間が経つとそれが回復し、早く回復させたければ、何かのイベントでもらったアイテムを使うか、課金をする、という仕組みで成り立っています。 というわけでスマホゲームに課金をしない…

ゲームで考えるモチベーション管理 ①

最近ハマっているスマホのゲームが、いわゆるMerge系のゲームです。 盤面の上にいろいろなアイテムが落ちていて、同じアイテムを重ねるとそれが進化した別のものになり、それをまた2つ重ねるとさらに進化する、というような感じでどんどん新しいアイテムを作…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」⑧

ただ、完全にドナーからの支援から脱却できそうな今でも、そうしたドナーや外部の意見を聞いたり、外に結果を公表する機会を得たり、またフィードバックを得る機会として、ドナーとの関係性は維持しています。それが20%を自己資金にしきらない理由だと思い…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」⑦

おそらくそのためには、正しいモチベーションがあり、素直に学んで成長していくことを評価する組織内の体制があったのだと思います。 そしてそれが、BRAC内だけでなくその外に出て、貧困にあえぐ人々も含んだ形で拡大して展開されていただけなのではないでし…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」⑥

これであれば、測るための特別な器具もいらないし、何か特別なものを買わなくても済みました。 でもこの方法の肝要な部分は、正しい知識を持っている人をどれだけ増やせるかというところでした。 BRACはここでも工夫します。 村の子どもがいる女性で、関心の…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」⑤

読んでいくとまさにそんな感じで、一つ一つのことそのものは、誰もがやりそうな、思いつきそうなことではあって、それでも、それらのことをこれだけの規模でやっている組織は少なく、結果、珍しいことを成し遂げている、という状態のように思います。 だから…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」 ④

その秘密を知りたい、と思って読んだのが、今回の本、「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」です。 とはいえ、正直に言うと、読んでみてこのBRACがBRACのようになれた理由が何か分かったのかというと、いまいちでした。 どうしていま…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」 ③

おそらくそれは、そのモノやサービスを評価する人と、そのモノやサービスを受ける人が違うことに起因しているのだと思います。 評価する人はドナー(国や寄付をしている人々)、受ける人は途上国の現地の人々です。 だからこそ、評価が容易に曲がるし、他の…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」 ②

政治的な理由でとにかく支援をしなければ、と考える先進国と、何に使うのが国のために一番いいか判断するだけの政治体制がないものの、何かしらの支援は受けたい途上国のニーズがかみ合ってしまいさえすれば、どこかの国が支援して立てた大きいインフラが、…

本の話「貧困からの自由―世界最大のNGO・BRACとアベッド総裁の軌跡」 ①

ちょっと前に仕事でバングラデシュについて調べる機会があって、「バングラデシュを知るための66章」を読みました。 読んでみて驚いたのは、バングラデシュがソーシャル・ビジネス先進国であることです。 それまでもユヌス銀行のマイクロクレジットのことは…

中国語のすすめ ⑭

この二つの発想は、ある意味相いれず、片方を強く信じていると、もう片方の考え方はよく分からないと思う類のものだと思います。 中国語の文章を読んでいると、こういう文化のギャップが背景にあるような言葉遣い、話し方、シチュエーションというのが、結構…

中国語のすすめ ⑬

「以上」という言葉を使っているのに、さらに「甚至更长(もっと長い)」と付け足すなんておかしいじゃないか、と言って質問していました。 クラスの反応を見ていると、日本人や中国人は、ここに「甚至更长」と付け足したくなる気持ちが分かったらしく、文化…

中国語のすすめ ⑫

日本人的には、隣がうるさい→大家に言う、という方が無駄な争いを避けられて、良い流れに思い、全く違和感がなかったのですが、確かに、そうじゃない文化もあるでしょう。 逆に直接言わないことが不信感をあおる文化もあるかもしれません。 イスラエル人の方…

中国語のすすめ ⑪

香港で、主に欧米文化圏の友達に囲まれて中国語を勉強していた私は、まさにその虹色状態のように感じていました。 漢字を書く、というところからもう特大ハードルがあるみんなに比べ、見ただけでああ、これね、と思って一瞬で記憶できるのは無敵以外の何物で…

中国語のすすめ ⑩

身もふたもないことなのですが、言語と言語の間にも関係性があって、生成順序があって、それが近いものを学んだ方が圧倒的に楽だし、勉強しやすいと思います。 勉強する時も、自分の母国語との違いを意識して学んだ方が効率的に決まっています。 そしてこの…

中国語のすすめ ⑨

基本的な言葉、いつも使う言葉から覚えて、それに関してはどんな使い方も知って、聞いても読んでも分かるし、話したり書けたりも当たり前のようにできる、そうなってからもっと難しい単語を、必要な時に学んでいく、そういう順番を踏むから、同じくらいの濃…

中国語のすすめ ⑧

どういうことかというと、例えば、英語や中国語でこれまで話したことのないことを話すとき、知らない単語が当然出てきます。 口内炎ができて痛いんだよね、と話したいと思った時、「口内炎」という単語が分からなかったらどうするかということです。 日本語…

中国語のすすめ ⑦

3つ挙げていた理由のうち、1つ目の成功体験と失敗の防止は言語の学び方についてのところだと思いますが、そう考えると2番目の、自分の本心を話した経験が多い、というのは、言語の教え方に直結する部分です。 香港で中国語を勉強して一番思ったのは、自分の…