たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

中国語のすすめ ⑦

3つ挙げていた理由のうち、1つ目の成功体験と失敗の防止は言語の学び方についてのところだと思いますが、そう考えると2番目の、自分の本心を話した経験が多い、というのは、言語の教え方に直結する部分です。

 

香港で中国語を勉強して一番思ったのは、自分の心や頭に描いた像を直接その言語とつなぐ練習をどれだけしたかが大事だ、ということです。

 

いつか「語学の突破口らしきもの」で詳しく書いた気がします。

ヘレンケラーにサリバン先生が水を触らせて、waterという単語を教えた方法です。

言葉にならないこれ、を言葉にする作業に、母国語を介してはいけません。

 

言語は全て、感情や頭に思い浮かんでいるものを、言語で表現するところから始まります。

心や頭に浮かんだものを、日本語で表現してから訳しているのでは、いつまで経っても越えられない壁やニュアンスの違いが出来てしまいます。

 

物事の切り取り方や表現の仕方が、言語によって全然違うからです。

 

私が英語を勉強した時、常に日本語というフィルターを介して英語の世界を眺めていた感じがありました。

だから、How do you do?という簡単な質問に言葉がつまります。

 

そもそも日本語ではこうやって挨拶のように聞かれないことを日本語で答える言葉がとっさに出てこないから、英語と自分を取り巻く環境だけになったとき、どうしていいか、どうやってそれらをつなげていいか分からないのです。

さらに、大きい違いだと思うのが、英語で英語を、中国語で中国語を説明する時だと思います。

これができるかできないかで話しやすいかどうか、安心感があるかどうかがだいぶ変わります。

                              つづく