たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

中国語のすすめ ⑬

「以上」という言葉を使っているのに、さらに「甚至更长(もっと長い)」と付け足すなんておかしいじゃないか、と言って質問していました。

 

クラスの反応を見ていると、日本人や中国人は、ここに「甚至更长」と付け足したくなる気持ちが分かったらしく、文化圏の近さの問題かもしれないと思いました。

 

「以上」という言葉は、単純に考えれば、ボーダーラインから上全てを均一に指す言葉なのですが、この言葉を使うとき、アジア圏の文化では、ボーダーラインに近い辺りのことを強めに意識しているのだと思います。

 

30分以上、と言えば、40分や50分を想像します。

1時間より大きいものを想像してほしいなら最初から1時間以上と言ったはずなので想像しません。

だからこそ、もし1時間を超える場合もあるなら、もっと長いときもある、と付け足さないと正しく伝わらないのです。

 

でも、「以上」という言葉の厳格な意味からは確かに離れていて、話している状況や文脈に頼っているとも言えます。

 

英語的な発想では、「以上」という言葉がボーダーライン以上全てを指す言葉である以上、40分も50分も、1時間も2時間も、はたまた24時間も、均等に視野に入れているのだと思います。

 

とても論理的ではありますが、生活や状況の実感を加味していない、どこか科学的な感じがあります。

でも、そういう常識の中で過ごしていたら、確かにこの文章は意味が分からないかもしれません。

                              つづく