ドラマの話「カムカムエヴリバディ」③
物語の進みが早いから忘れそうになりますが、そして多分現実的ではない、そこはドラマだから御愛嬌という部分もあると思いますが、それでも、確かに何十年かの努力が実を結ぶこともあるし、小さな出会いの積み重ねが運命を変えることもある、それを思い出させてもらった気がします。
子供の頃、若い頃は、振り返ると実感しますが、圧倒的に視野が狭くて、その狭い視野では人生から見れば豆粒のような小さなことが一大事で、それに右往左往したり、一喜一憂したり忙しい毎日を過ごします。
もう自分の人生が終わるに等しいと思うような衝撃も、絶望も、たくさん味わいます。
目の前が真っ暗になる感じ、辛すぎて向き合うことから逃げずにはいられないこと、そういうことがたくさんあります。
でもそういうことも、100年というスパンから見て、何年ではなく、何十年経てば、案外何とかなったりするのかもしれないな、と思わせるリアリティがありました。
もちろん、若い今は、100年が本当にあるのかも分からない。
でも、それでも、100年が約束されているかのような心で目の前の出来事に向き合った方がいいこともあるのだと思います。
私は前に尊敬する人から、あなたは、スピード違反のスピードを求めているんだよ、と言われたことがあります。
それを聞いてすごくハッとしました。
自分が求めるスピードを実現することはできます。
でもそれは決して長続きしないし、いつどこにぶつかって事故を起こすか分からない、危険があって一般には禁止されているようなものだったのかもしれない、そう考え始めるといろいろ思い当たる節がありました。
つづく