たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

ボランティアの話 ④

最近はそういうことを書いたビジネス書もたくさん出ているので、聞く力、とかそういうタイトルの本を読んだこともありました。でも、その時特段驚くようなことが書かれていなかったのですが、今回は違いました。

 

例えば、誰かが、資格試験に落ちた、と話したとします。

それを聞いている私たちは、つい、ああ、それは残念だったね、と言ってしまいがちです。

 

でも、それは傾聴としてはNGなのです。

 

その人はまだ、試験に落ちたという事実を言っただけで、それでどういう気持ちなのかは言っていません。

それなのに聞いている人が、残念に思っているのだろうと勝手に検討をつけてしまっているだけだからです。

 

しかも、勝手に頭の中で、残念な気持ちなのかな、と思うだけならいいけれど、それを言葉に出したことで、話している人はそれに誘導されて、本当は違う気持ちを持っていたのに、それを自分で分からなくなってしまったり、残念だった、という話の方向性じゃないとこの人には聞いてもらえないのかな、と思って自分の気持ちを偽ったりしてしまいかねません。

 

本当は、そんなに単純な言葉では表せない気持ちがあって、それにはこれまでその人が歩んできたいろいろな経緯があったかもしれないにも関わらず、それを聞き取ることができなくなってしまうのです。

 

それを聞いてしばらく、友達や同僚の相談を受けるときに実践しようとしてみましたが、それがかなり難しくて驚きました。

 

私は比較的、友達からも後輩からも家族からも相談を受ける方だったので、自分は人の話を聞くのが得意だと思い込んでいましたが、実は本当の意味では何もその人の話を聞けていなかったのではないかと思いました。

                               つづく