ボランティアの話 ②
そんな気持ちで仕事をしていると本当に、なんだか、今のために生きられないのって虚しいな、と思うようになってきました。
それで、在宅になって空いた時間を利用してできる副業を探すことにしました。
とはいえ、いきなり副業といっても、分かりやすいスキルもなく、正直当てがありませんでした。
それならとりあえずの一歩目として、と始めたのがボランティアです。
ボランティアを始めたのにはもう一つ理由があります。
たまたま後輩の誘いで、紛争被害者の自立支援をしている団体の年次総会のようなものにオブザーバー参加してみた時のことです。
その中で、紛争被害者が自立できる可能性は、その受けた被害の度合いには依らない、つまりひどい心の傷や、身体に障害があると自立がしにくい、ということはない、という話を聞きました。
では、何が自立しやすい、しにくい、に関わるのか、というと、それは自己肯定感だそうです。
自己肯定感が高ければ、どれだけひどい心の傷や、重い障害を持っていたとしても、職を得て、収入を得て、自立することができるというのです。
これを聞いて私はとても意外に思い、驚きました。
そしてさらに、その団体の方がその自己肯定感はどこから来るのか、ということを調査したところ、それは「自分が誰かの役に立っているという気持ち」だったそうなのです。
聞くと、自分は隣に住んでいるおじさんのために毎朝新聞を持って行ってあげているから、とか、年下の子たちと遊んであげているから、とか、子供を育てているから、とかいろいろですが、そのどれもが、そんなに難しいことでなくても、自分の周りの人たちに自分の力を使って、役に立っているという実感が、自己肯定感につながっていたそうです。
つづく