ボランティアの話 ⑤
この、本当の意味で人の話を聞く力は、実生活でもとても役に立つと思います。
家庭で自分の子供の話を聞くときもそうですし、会社で部下の話を聞くときもそうです。もしかすると上司の話を聞くときにも使えるかもしれません。
外国の方と話をするときも同じです。
というのも、相手の価値観が自分のものと違えば違うほど、虚心坦懐に、自分の偏見を極力なくして話を聞くことは、必要なコミュニケーションスキルだと思うからです。
というわけで、ボランティアをして初めて得られたスキルがある、というのが一つ驚いたことでした。
自分が今できることの延長で始めたので、そんなに何か発見があるとは思っていなかったのですが、実際は違いました。
考えてみれば、ボランティアは無償であるだけで、やっていることそのものは有償でやっている仕事と変わらないことが往々にしてあります。
それはPTAや町内会活動でも同じことを感じるかもしれません。
そう考えると、仕事で得られないスキルや、やらせてもらえないことがあるなら、ボランティアでそれをやってみる、というのも良い方法なのだと思いました。
私は実際、ボランティアを始めてから、仕事で満たされなかった気持ちが満たされていくのを感じました。
仕事そのものに対する嫌悪感も少し緩和されて、冷静に自分の置かれている状況を考えることができるようになりました。
というのも、仕事というのが生活の全てではなくて、生活の中の一部、という風に捉え直せるようになったからだと思います。
家事をやっている時間も生活の一部、仕事をしている時間も生活の一部、ボランティアをしている時間も生活の一部、なのです。
つづく