たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

東京オリンピックの開会式を見ながら考えたこと ③

つまりこの場合、一番伝えなければならないのは、それが取りに行かなければならないと思わせるようなカードであることです。

それによって相手をまず、確かに取りに行かざるを得ないよね、と思ってもらわないと話が先に進みません。落ちも何もあったものじゃないのです。

 

このように、相手に伝わる、とか、分かりやすいということはどういうことかというと、事実だけじゃなくて、その事実に伴う感情のようなものが一緒に伝わることだと思います。

 

例えば、初対面の人とオンラインミーティングをするとして、背景画像が綺麗な景色で、それどこで撮ったの?と聞きたいとします。

でも、これが聞き方によっては誤解を呼びます。

 

日本人同士の会話だったら、何の脈絡もなくいきなり「それ何の写真ですか?」と言っただけでも、この一言だけで、相手は「ああ、これどこどこで撮ったんですよ~」などと言い、「ご自身で撮られたんですね!素敵ですね~」などと話が盛り上がるかもしれません。

 

でも、これはあくまでも、「それ何の写真ですか?」という一言が、その写真がポジティブな意味で気になっていて、話を聞きたいという意味だということが分かって初めて、質問の意図が分かります。

 

日本人がそういう意味だと分かる理由は、多くのシチュエーションでそういう聞き方をする文化の中で長く過ごしてきたからです。その経験から、憶測で理解できているだけなのです。

表情の様子や身振り、態度なども判断材料にしているかもしれません。

                               つづく