たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

本の話「鹿の王」①

本当はこの本を読んだのはもう1年以上も前の事です。

その頃私は、「完璧主義の出口⑧」に書いたような、自信も自尊心もなくて、でも自分に求める要求ばかりは高い、苦しい日々を過ごしていました。

 

それに加えて、コロナで帰国できない中、尊敬する大切な家族を、離れた日本で亡くした後でした。

今その頃書いた(そしてボツになりブログの更新が途絶えた)文章を読むと、改めて自分がその頃自分自身で当時思っていたよりも傷つき、苦しみ、ギリギリの状況だったと思いました。

 

そんな時に読んだ「鹿の王」は、すごく私を救ってくれました。

どうして救われたのか書こうと頑張って、でもそしたらボロボロの自分の姿も同時に浮き彫りになって、苦しくて書けなくなってしまったのですが、今は時間を置いて、要するに何が大切だと感じたのか、書けそうな気がしてきたので、書きたいと思います。

 

この本を読んで得た一番のものは、死生観だと思います。

その頃私は心の底から自分への評価が低かったので、こんな自分がいつどんな取り返しのつかない過ちを犯して、何も人のために貢献できずに死んでいくか分からない、というどこか冷め冷めとした気持ちを持って毎日生活していました。

 

大げさに聞こえるかもしれませんが、私が書いたところの「完璧主義」を突き詰めるとこうなります。

その時の状況もありますが、いろいろなことが重なって自分を責め続けると、行動が委縮し、それでまた失敗をして自分を責め、ということが続いた結果、こういう考えにまで至っていました。

 

香港へは、休職して来ていましたし、それまで私の中で仕事の存在は大きくて、仕事で得られる他者からの承認が自分を支えていた部分がありました。

                                つづく