たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

完璧主義の出口 ⑦

まずはとにかく、いつどんな時も、私のことを褒めちぎってくれます。私はその大げさにすら思える褒め言葉に、半信半疑というか、信じたいけど、心から信じられない、でも、自分で自分を褒めることがないので、正直なところもっと聞きたい、という気持ちでいました。

 

でもその方が私以外に下す評価は厳しく、ダメなものはダメと一刀両断で、それも納得する理由に裏付けられていることが多く、また私にも、目一杯褒めながら、ほんの時々こうすればもっと良くなるよ、とアドバイスして下さることがあります。

 

そのアドバイスの一つが、「自信を持ちなさい」でした。

私は、その意味がずっとずっと分からなかった。

 

私は自分を信用していなくて、「自信を持つ」と、「傲慢になる」の境が自分で分からなくなると信じ込んでいました。

自分を自分で褒めたりなんかしたら、うぬぼれて、その足りない現状で満足してそれ以上の成長がなくなる、と本気で思い込んでいました。

 

それを素直に伝えると、あなたはそんな人じゃない、と言われました。

 

私は疑り深いので、おそらく、その方が私をほめちぎって下さるのも、私はうぬぼれるような人じゃない、と言って下さるのも、ある種何かの作戦なんだと心のどこかで(今も笑)思っているところがあります。

でも、たぶん、それが作戦なんだとしても、私に必要なことだということだけは、強く信じています。

 

だから、何度もそういう言葉をかけてもらう中で、私にとって、きっと「自信を持つ」ということはとんでもなく大切なことなのだろう、と思い始めました。

今思えば、たぶんそれが、長い長い、完璧主義からの脱出の第一歩だったのだと思います。

                                つづく