完璧主義の出口 ③
でも、本来それはとても理不尽な要求なのだと思います。
誰か他の人にできることが自分にもできるとは限らないし、誰かが当たり前にやってのけているように見えることが、本当に簡単だとは限らない(地道な努力や長い経験の蓄積に支えられているかもしれない)からです。
みんなそれぞれできること、できないことがあって、でこぼこしていて、その形が生まれ得た才能とその後の経験によって違うだけなのに、その「でこ」の部分だけ集めてできた人間を自分に目指せと言っているようなものだからです。
では、どうやったら完璧主義から抜け出せるのでしょうか。
この切実な問いに対して、私がたどり着いた答えは、自分に一番足りないことは、自分自身をありのままで受け入れられないことだ、それは克服しなければならない最優先課題なのだ、と認識することだと思います。
完璧主義的な思考方法を変えようとしても、それまで長年培った習慣を変えようとするのですから、今まで歩んできた人生の長さと同じかそれ以上の時間が必要な大変な作業になると思います。
だから、それ自体を一朝一夕に変えようとせずに、完璧主義は完璧主義のまま、その考え方を逆手にとって、「完璧主義を抜け出すこと」そのものを目指す通過点と認識してしまうのが良いと思います。
まずは、完璧主義を抜け出したら自分にとってどんな良いことがあるか考えてみる必要があります。
自分はありのままにまず価値がある、ミスしたり、逃避したり、情けない自分の方がかえって良いのだという考えにつながれば、何でも構いません。
誰か自分の尊敬する人が言っていたから、でもいいし、自分が納得しそうな理由を自分で考え出してもいい。
つづく