とみお、死す
「とみおおおおおお!!!」
小さな部屋に私の叫び声がこだました。話はその数日前にさかのぼる。
最近のライフワークは、すっかり、凪のお暇をマネすることになっていました。
それはもう既に、マンガで、凪が国民年金やら住民税やらに往復ビンタされる辺りから・・・あれはコメディでも何でもない、休職者にとっても事実です(遠い目
暗い話はさておき、効きそうじゃないですかあの運動、めっちゃ美味しそうじゃないですかあのパン、そして(ドラマで)慎二の気持ちを代弁したあの緑の・・・
そう、豆苗です!!
なんとこっちにもありましてね、フフ・・・
日本にいた頃は、「水道水?東京の水売ってるくらいだからいけるっしょ!」と浅い知識で浄水機もつけずに水を飲んでいたのですが、(確かにあれはカルキの味がした・・)さすがに海外、そんなことしてたらお腹壊すね・・ということで買いました。
しかも同じく日本で、その水そのまま飲んでたくせに、夫に「豆苗育てたらまた生えるって!」と聞いても、「(残業で)次いつ食べられるか分からないし、水道水汚くない?」とこれまた浅い知識で矛盾した言い訳で逃げ、育てていませんでした。
でも海外に来て毎日スーパーで買い物していると、何が「まともで安全」な食材なのか、そもそも主婦レベルの低い私には分からず、日本の倍くらい時間がかかります。
農薬って貝殻洗剤で洗ったら全部取れるの?成長剤とか遺伝子レベルでどうこうしちゃった野菜は大丈夫なの・・・!!?このお肉は店頭でだいぶ長く干されたものが店内のオープンスペースでさばかれているけれども、大丈夫なの・・・!?っていうかこの野菜産地どこ!?書いていないということはつまり・・・(察し
と、このような苦悩に日々さいなまれていた私にとって、突如舞い降りた豆苗は神だったわけです。だって、もう究極、自分で育てるのが一番安全じゃない?✨うん、間違いない!
(ちなみにこんなに真剣になってから、はたと気づく、これまで気軽に外食していたことに・・・まあもうなんでもいいか!←)
こうして豆苗を育て始め、せっせと毎日水を替え、豆苗様のために新しいタッパーも購入し、日当たりの良い場所に移し、と豆苗ライフが始まったのでした。
よく言われることですが、植物ってただ見ているだけでも飽きないのです。
切ったはずなのに、どこからこの枝出てきたんだろう、昨日はこの葉っぱなかった気がする!この子(豆苗のうちの一人←)一番長い、頑張ってるなあ・・などなど
野菜育てるの、楽しいかも・・・買ってきたプチトマトも何となく変な味するし、いっそ育てちゃおうかなあ~と初収穫前に調子に乗ったりしておりました。
あまりに可愛がりすぎて、夫に「私の平日の寂しさを癒してくれるのは、とみお(豆苗)だけなの」などと安いメロドラマのようなセリフでふざけていた直後、相も変わらず、とみおを眺めていると、ある豆に白いふわふわしたものが・・・
はい、カビです。そして今日の冒頭に至る。
水の入れ方がワイルドすぎた?それとも最初に日当たりの良くないところに置いてたから?はっ、もしかして昨夜除湿器動いてなかったから!?まさか、夫に言われても懲りずに私がドアを開けて湿度を上げたから!!??
急いで調べると、もう胞子を吸って成長している可能性があるとのことで、どの葉っぱも食べられない・・大事をとって捨てました。
こうして、とみおとの別れは突然にやってきたのでした。。
生き物を育てるのは、そんなに甘くないと、とみおは身をもって教えてくれたのでした(号泣
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