香港の話 ―自然編― ②
それを見るたびに私は、ああ、香港島って本当に、なんていうか、岩礁なんだな、と思っていました。
その大きな岩礁に人がへばりつくようにして住んでいる、そんなイメージでした。
香港ではほとんど地震が起きないのですが、その硬そうな岩盤を見ると、頼りになるような気がしました。
狭い平地をトラムとバスや車が入り交ざって通るので、もう一本海の上の方にも車道があったりします。
そんな状態なので、高層ビル街の中心地から、少し歩いただけで、トレッキングやハイキングのコースに入ることができます。
そして香港人はハイキングが大好きです。
コロナが始まり出したころ、香港でよく言われたのは、街の中心部を避けて、ハイキングに行く人が多すぎて、山の上が混雑しているという笑い話でした。
週末に行くと、確かに大変な賑わいで、普通の道路を歩いているより感染リスクが高そう、と思うくらいでした。
欧米系の人を中心に、山の上ならマスクしなくていいだろう、みたいな人も結構いて、いや、そういうことなのか?と思った記憶があります。
そういう光景はある意味、香港ならではだと思います。
よく100万ドルの夜景、と言われますが、たぶんその夜景も、高低差が生み出しているのだと思います。
ただ平地にビルが並んでいるだけなら、高いところから見ないと綺麗な夜景、とは思わないはずです。
高いところから低いところまで、広範囲に光が見えるから、美しい、と感じるのだと思います。
つづく