香港の話 ―自然編― ①
海外に住んでいたことが疑われるくらい、香港の話をしていなかったので、たまにはそんな話題も良いかと、書いてみたいと思います。
そう言って書き始めた最初が「自然編」なんて、一番香港に似つかわしくない単語と驚かれた方もいるかもしれません。
でも私にとって一番心に残っているのは香港の自然です。
香港に行く前、香港と言えば全面コンクリートの高層ビル街!と思っていました。
もちろん多少の自然や公園はあるだろうけども、都会の中のそれ、程度だろうと思っていました。
でも実際は、総面積の約40%を国立公園が占めているのです!
この比率は世界でもトップクラスです。
実は人口密度が高い原因も、単に面積が狭いだけではなくて、そもそも人が住める場所が少ないことにあるのです。
そして、その国立公園たちは、都会に入り組むようにして近接しています。
ちょっと歩けばあっという間に急こう配になって、よじ登るようにして進むと、サルやイノシシがいる、そんな世界です。
大陸側だけでなく、香港島も真ん中の方は急激に岩場、崖のようになっています。
かの有名なトラムに乗って香港島を横断するとよく分かるのですが、トラムが走る線路は、本当にわずかな平地を縫うように走っています。
海と反対側を眺めながら乗っていると、常にすぐ目の前に崖が迫っています。
そしてその崖の上に目を向けると、これまた崖上きわっきわのところを二階建てバスが走っていたりします。
つづく