たまのおいとま

めぐりあわせのおかげで海外でしばしおいとまいただくことになった会社員の冒険と発見と悟り

完璧主義の出口 ⑪

私と違って香港生活を謳歌している師匠と過ごすのは楽しくて、何とか背伸びして、師匠に見放されないように頑張ってついて行き、楽しいもの探しを重ねるうちに、私の心は回復しました。

 

気が付けば、最初の頃の背伸びしていた感覚もすっかり忘れて、本来の自分を取り戻していました。

回復しただけでなく、私は新しいことに気づきました。

 

それは、師匠の努力の仕方です。

 

師匠は、会うと必ず、新情報を持っています笑

あのお店行ってみたら美味しかった、とか、あんなイベントがあるらしいから申し込もうか考えてる、とか、こんないい中国語の講座、勉強法見つけたのよ!とか。

 

それを聞いているうちに気づいたのですが、師匠は決していつも成功しているわけではないということです。

 

ある時会うと師匠は、この間の土日、あそこにご飯食べに行ったのよ、悪くはなかったけど、ぱっとしない感じだったわ~と言っていました。

 

たぶん、師匠と会う頻度が低い人なら気づかないと思うのですが、師匠の毎日を良く知ると、上手く行くこともあるし、上手く行かないことも人並みにあるということが分かります。

 

美味しいかと思って行ってみたら、行くほどの価値はない味だった、とか、街市で買ってみたけど、ちょっと質が悪かった、とか、新しい料理に挑戦したけど失敗した、とか、、たくさんたくさんそういう失敗を経て、あぶり出されたいくつかの成功を、惜しげもなく共有してくれていただけだったのです。

                               つづく